実践!カーボンフットプリントの算定と改善

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近年、カーボンフットプリント(CFP)の利活用シーンが多様化してきております。

そこで、今回はCFPの算定にあたり、関西電力が提供する「K-DXソリューション(*1と、ゼロボード社(*2が提供する「Zeroboard」を組み合わせることで、どのような課題を解決できるか、考察してみました。

*1)デジタル技術を活用し、お客さまの業務課題を解決するサービスであり、本説明では当サービスの「データ分析センシングプラン」の利用を前提に記載しています。
*2)関西電力の資本・業務提携先であり、お客さまの脱炭素経営課題の解決に向けてともに取り組みを進めています。

目次
  1. CFPとは
  2. CFPの利活用シーン
  3. 欧州電池規則における”CFP宣言”
  4. 関西電力が提供するK-DXソリューション×Zeroboardで実現できる3つの課題解決
  5. まとめ


1.CFPとは

Carbon Footprint of Productsの略称で、直訳すると「製品の炭素の足跡」です。

商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです(下図参照)。

出典:カーボンフットプリント レポート(2023年3月 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会)

カーボンニュートラルを実現するためには、個々の企業の取組のみならず、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減を進めていくことが重要です。
そして、排出削減を推進するためには、脱炭素・低炭素製品(グリーン製品)が選択されるような市場を創り出していく必要があります。
その基盤として製品単位の排出量(CFP)を⾒える化する仕組みが不可⽋です。

2.CFPの利活用シーン

いまや、様々なステークホルダーからCFPへの対応が求められています。特に国内外の政府による規制は事業を継続する上で避けられず、対応が必要です。

その中でも規制化が早く、かつ日本の産業へのインパクトが大きいのが“欧州電池規則”です。CFPガイドライン上での欧州電池規則の位置づけを下図に示します。


出典:カーボンフットプリント ガイドライン(2023年3月 経済産業省、環境省)を元に作成

3.欧州電池規則における“CFP宣言”

欧州電池規則ではいくつかの要件がありますが、そのうち“CFP宣言”の要求事項(抜粋)は下記の通りです。


*3)
IDEAや産業連関表による二酸化炭素排出原単位等の共通データや文献データは原則使用できず、また当該製品が製造された期間(年度)における1次データを更新して使用する必要がある

*4) 最速で2028年2月以降、詳細は今後採択される“ライフサイクルカーボンフットプリントの最大閾値を決定する委任法”にて規定*5) 2025年2月18日または電池のカーボンフットプリントを計算・検証する方法を確立し、補足する委任法またはカーボンフットプリント宣言の様式を定める実施法の発行12ヶ月のいずれか遅い期日から開始となっているが、2024年5月21日時点で委任法および実施方のいずれも未採択である
*6) ゼロボード社想定(https://zeroboard.jp/column/column/4594/

 4.関西電力が提供するK-DXソリューション×Zeroboardで実現できる3つの課題解決

CFP宣言の要求事項に対応するためには、CFP算定を継続的に効率よく実行する仕組みを構築することが求められます。

そこで関西電力が提供するK-DXソリューション×Zeroboard により、 “CFP宣言”の要求事項の3つの課題を解決することが可能です。

K-DXソリューションとは、お客さまが抱える「エネルギー領域(省エネなど)」「非エネルギー領域(歩留まり改善など)」の課題に対して、関西電力がAI・BI・IoTなどのデジタル技術を活用し、課題解決をサポートするサービスです。

Zeroboardとは、活動量の入力またはデータ連携の設定をするだけで、企業のサプライチェーンGHG排出量の算定・可視化・削減管理ができるクラウドサービスです。



 (1)原材料、製造工程における1次データ収集の効率化【要求事項(a)(c)】

製造工程 原材料

(2)CFP認証作業の効率化【要求事項(d)】

(3)効果的で効率的なCFP改善(閾値クリア)活動の実行【要求事項(b)(e)(f)】


5.まとめ

CFP構成ロジックや「加工工程毎のエネルギー原単位(kWh/工程)」「排出係数DB」の設定に当たっては、一定期間の実証を通じて、各社さまにとっての最適な仕組みを構築するアプローチが有効です。

また、仕組み構築後も生産計画の変更、設備更新、要求事項の変更等に柔軟に対応する必要があります。従って、まずは仮設センサーによる実証を行うことが、有効なアプローチです。K-DXソリューションは1年単位での短期契約が可能なので、スモールスタートに対応できることが強みとなります。(設置済みの常設センサーでカバーできない部分を、仮設センサーで補うことも可能です。)

欧州電池規則に対応するCFP算定方法の細則はまだ決定されていません。ただし、決定の12ヶ月後にはCFP開示が義務化されることや、2.の要求事項への対応は必須となることを踏まえると、対象となる事業者のみなさまは今から検討を始めても、早すぎることはないと考えます。ご検討の際は、お気軽に関西電力までお問い合わせください。

K-DXソリューションご紹介>>>https://sol.kepco.jp/industrial_ems/

Zeroboardご紹介(ゼロボード社HP)>>>https://zeroboard.jp/service/zeroboard

※この記事は2024年6月時点の情報に基づき作成しております。
※本記事は作成者個人の意見や感想に基づき記載しています。

この記事を書いたメンバー

井上 浩隆

大阪府出身。趣味は登山とトレイルランニング。自然の中を走り回った後に国内外のクラフトビールを飲むのが大好きです。2024年7月よりゼロカーボン関連のソリューションを担当。お客さまや社会の課題に向き合い、ゼロカーボンの取組みを通じて持続可能な社会の実現に貢献できるよう日々励んでいます。

 



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