海外再エネ証書を紹介します!

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みなさんこんにちは!!

関西電力ソリューション本部 開発部門 ゼロカーボンソリューショングループの伊藤と三本です。 

左:伊藤 右:三本

いきなりですが、みなさん“再エネ証書”をご存じでしょうか? 
最近では、企業の脱炭素手法の1つとして、クレジット※と共に取り上げられる機会も増え、ニュースや新聞などで聞かれたことのある方も多いかもしれませんね。

今回は、当社の「海外再エネ証書事業」についてご紹介したいと思います! 

※クレジットと証書の違いや再エネ証書の基本については、「クレジットと証書の違い」でもご紹介させていただいております。こちらの記事も是非ご覧ください。

目次
    1. 海外におけるゼロカーボン対策 ~再エネ証書の活用~
    2. 世界の再エネ証書
    3. 当社の海外再エネ証書提供サービス
    4. 海外再エネ証書調達の裏側


1.海外におけるゼロカーボン対策 ~再エネ証書の活用~

 

早速ですが、2015年12月にパリ協定が採択され、各国が2050年カーボンニュートラルや2030年の温室効果ガス削減目標を掲げました。以降、世界的に脱炭素に向けた動きが加速しており、まさに今、各国では様々な手法を用いて目標達成に向けた挑戦が行われています。

また、このような動きに伴いRE100、SBT、CDPといった国際的な気候変動イニシアティブの影響力が拡大しており、日本も含めて、既にイニシアティブに参加している企業や今後参加を検討している企業が増加しています。

さて、皆さん、温室効果ガスの削減手法を思い浮かべてみてください。

・節電・節水・クールビズ・ウォームビズなどの省エネ対策

・ハイブリッド・電気自動車・蓄電池・太陽光等の導入によるCO2の排出削減
・水力や風力、太陽光等の再エネ電力購入による使用電力のCO2排出削減

などなど、、、

もちろん、すべて正しいです!
皆さんの周りにも、このような取組みに積極的に取り組んでいる企業様がいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で、国外に目を向けるとどうでしょうか。

国によっては、CO2削減技術が十分に展開されていなかったり、再エネプロジェクトの建設が進んでいなかったり等により、削減目標達成の道中で課題を抱えている企業が多いのが実態なんです。

そこで、このような課題に対して、持続的なCO2削減目標達成を実現できる手段のひとつが“再エネ証書”です。

再エネ証書とは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオエネルギーなどの再エネ(再生可能エネルギー)によって生成された電気を、電気価値と再エネ価値に仮想的に切り離し、再エネ価値を証書化したものです。再エネ証書には「いつ、どの国で、どんな方法で生成された再エネ価値か」といった情報が記載されています。

再エネ証書を購入した企業は、証書に記載している国にある拠点の使用電力のうち、証書に記載された再エネ価値量相当分を再エネ電気とみなすことができます。特に、RE100やSBT、CDPなどの国際的イニシアティブ達成手段としても活用できる証書は、再エネ発電所から離れていて地理的・物理的に再エネ電気を購入できない場合のCO2削減達成手段として大変有効であり、世界的に急速に需要が増加しています。

 2.世界の再エネ証書

ここでは、代表的な海外の再エネ証書の種類をご紹介します。以下の表をご覧ください。

環境制度が整っている国や地域では、その地域ごとに独自に運営されている証書もあります(GO、NAR)。一方、自国の環境制度が整っていない国や地域でも活用できるような、世界的に流通している証書もあります(I-REC、TIGR)。前者のような証書でも、RE100などの国際的イニシアティブに活用することが認められている証書は複数あります。

各証書により取引量の規模は異なりますが、いずれも年々取引量は拡大しています。

3.当社の海外再エネ証書提供サービス

続いて、当社が提供している海外再エネ証書提供サービスをご紹介します。

当社は、海外に拠点をもつ日系企業様のゼロカーボン対策への貢献を目的として、「I-REC提供サービス」事業を2022年度から本格開始しました。

サービスの概要は、海外のI-REC対象国内の再エネ価値を調達し、証書としてお客さまへご提供するものです。当社が「再エネ価値の調達」、「再エネ価値のI-REC(証書)化手続き」、「I-REC(証書)のご提供」等を行っています。

お客さまが当社のI-REC提供サービスを希望される場合は、「対象国」「量」「電源種別」等を事前に聞き取りし、お客さまのニーズに合ったI-RECを当社が調達し提供します。

4.海外再エネ証書調達の裏側

さて、ここまで読んでくださった皆様、当社がどのように再エネ価値を調達しているか想像つきますでしょうか?

最後に、I-REC提供サービスにおける裏側ともいえる再エネ価値の調達の大事な側面として、再エネ事業者との協業の様子をお届けしたいと思います!

(1)再エネ事業者との接点開拓~契約協議

国際的イニシアティブ(CDP、SBT、RE100)では、I-REC対象国に所在する工場等での消費電力に対して、同一国内のI-RECを使用することで、その消費電力を再エネ電気として扱うことを認めています。そのため、当社では、日系企業の海外拠点が比較的多い、東南アジア諸国を中心に、I-RECの調達を行っています。

まず、当社が出資している再エネ電力発電所からの調達です。

当社が日本の電力会社として初めて海外の発電事業に参画したフィリピンのサンロケ(水力発電所)は、発電、灌漑、洪水処理、水質改善を目的とした多目的ダムを有し、地元の方々に高い基準での技術継承を行い、環境配慮・地域振興等の役目を担っている再エネ発電所です。当社が出資していることもあり、関係は良好で、I-REC設備として登録されて以降、当社にとって重要な調達先のひとつとなっています。


※フィリピンのサンロケプロジェクト発電所全景
当社HP>>>https://www.kepco.co.jp/energy_supply/international/generate/philippines.html

次に、現地再エネ事業者からの調達です。

対象国の再エネ事業者についての情報収集を行い、まずはメールや電話等によりドアノックでコンタクトをとります。でも、面談にたどり着けるのはほんの一握り。そのため、オンラインだけでなく、アジア圏の地の利をいかして何度も現地を訪問し、再エネ事業者の大切な資産である再エネ発電所の「再エネ価値の取引」についてご理解いただくことに努めます。世界中に当社と同様のプレーヤー(競合)がいる中で、私たちは、再エネ事業者のニーズを聞き取り、真摯に対応し、Win-Winとなるような条件協議を行うことで、当社を取引先として選んでいただけるように取り組んでいます。

※再エネ事業者の事務所で打ち合わせの様子


(2)再エネ設備の設備登録 

再エネ価値をI-RECとして証書化するためには、オランダの事務局が運営する専用のプラットフォームに再エネ発電所を登録(設備登録)する必要があります。当社は、接点開拓した再エネ事業者に代わって、設備登録を行うこともあります。その際、運転状況や保守体制、周辺の様子を確認するため、必ず現地視察を行います。

※現地視察に向かう様子

地図上でみると相当山奥にありそうな気配の水力発電所。
「ちゃんと運用されているのかな」と不安に感じながらも実際足を運び、険しい山道を進んだその先には・・・
地元の皆様との良好な関係構築や環境に配慮し、安全管理が徹底され、丁寧に運用されている発電所とそれを見守る係員の方々との出会いがあります。
チームメンバーそれぞれにとって、最も感慨深いものを感じる瞬間です。

 



※発電所視察の様子

以上、調達の裏側を少しだけご紹介しました。


当チームでは、このほかにも、世界各国のトレーダーとも接点を広くもって、世界の環境制度の動向や、国内外のお客さまのニーズを肌で感じながら、I-RECの安定調達と販売に一丸となって、日々尽力しています。
 

※現地トレーダー訪問の様子

当社の海外再エネ証書に関する事業について、

・興味を持っていただけた!
・もっと知りたい!
・身近に必要とされている企業様がいらっしゃる!

等ございましたら、いつでもお問い合わせをお待ちしております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

★今回ご紹介させていただきましたサービスの詳細(お問合せ先など)はこちらをご覧ください。
 
※本記事は作成者個人の意見や感想に基づき記載しています。
※この記事は2024年10月時点の情報に基づき作成しております。


この記事を書いたメンバー

 

三本 曜子

奈良県出身。趣味はスポーツ観戦とグルメ散策。2024年4月より、海外再エネ証書(I-REC)の事業を担当し、環境について日々勉強中です。「ゼロカーボン」という全世界共通の課題に向かって、真摯に向き合うお客様と繋がり、解決の一助を提案・開発できるこの仕事に面白さとやりがいを感じています。




この記事を書いたメンバー

 

伊藤 康史

福岡県出身。趣味はダイビングと野球観戦です!
入社後は法人や自治体向け営業、法人営業の計画を経験、2024年4月より海外再エネ証書の業務に従事しており、お客さまの課題解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献できるよう日々励んでいます。今後は、専門知識をさらに深め、組織の一員としてさらなる成長を目指します!














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