近年、日本の夏はますます暑くなり、連日の猛暑に日本中が悲鳴を上げています。
そして猛暑で悲鳴を上げているのはなにも人間だけではありません。暑い夏でも品物を冷やし続ける業務用冷蔵・冷凍設備や食品スーパーの冷凍冷蔵ショーケースにおいて「高圧カット」と呼ばれるトラブルが発生しており、真夏の繁忙期に突然設備が停止し、商品ロスや営業停止に追い込まれることが懸念されます。
本記事では、年々過酷さを増す夏の猛暑から設備を守るための高圧カット対策について紹介していきますので、冷凍冷蔵設備や空調の高圧カットにお悩みの方は是非ともご参考にしていただければと思います。
1. 日本の夏の温度上昇と冷凍冷蔵設備・空調への影響
冒頭でも触れましたが日本の夏は年々過酷さを増しています。
気象庁の観測でも、猛暑日(35℃以上)の発生回数や最高気温の平均値(8月)は増加傾向にあり、都市部ではヒートアイランド現象の影響で体感温度はさらに高くなっています。
特に問題となるのが、冷凍冷蔵設備や空調の室外機周辺環境です。
・アスファルトやコンクリートからの照り返し・屋上設置による直射日光
・風通しが悪い
こうした条件が重なることで、冷凍冷蔵設備や空調の室外機が吸い込む空気の温度は簡単に40℃を越えてしまいます。
冷凍冷蔵設備や空調は「吸気する空気の温度が高いほど負荷が増える」構造のため、日本の夏の温度上昇は高圧カット多発の大きな要員の一つと言えます。
2. 高圧カットとは
高圧カットとは、冷凍機内部の『吐出圧力(高圧側圧力)』が設定値を超えた際、コンプレッサーを保護するために自動停止する安全機構です。
夏の猛暑や室外機周辺環境により、室外機の吸気温度が高温になると、冷媒を冷やしきれなくなり、冷媒の圧力が上昇し、設備保護のために室外機が緊急停止します。
高圧カットが発生すると、緊急停止による冷凍冷蔵品の廃棄や、運転負荷が高くなり室外機の故障リスクが上がります。

3. 高圧カット対策3選
現場で実際に採用されることの多い3つの対策を比較しながら解説します。
①室外機の日除け設置
概要
室外機の上部や周囲に日除けを設置し、直射日光を防ぐ方法です。
メリット
・施工が簡単
・一定の直射日光対策には有効
デメリット
・通風を妨げると逆効果
・水の蒸発を用いた冷却にくらべて効果が劣る
評価
「何もしないよりは良い」対策ですが、
猛暑日や連続運転時には高圧カットを防ぐには力不足です。
②散水装置(ミスト・水噴霧)
概要
室外機の凝縮器に水をかけ、気化熱で冷却する方法です。
メリット
・気化熱を利用し冷却効果は比較的高い・一時的に高圧カットを防止できる
デメリット
・水道代が継続的に発生・室外機にスケール(白い汚れ)が付着しやすい
・水質によっては室外機フィンや冷媒配管の腐食が発生する
評価
効果はあるものの、室外機フィンや冷媒配管の腐食が発生するケースがあり、長期運用では設備寿命を縮めるリスクが無視できません。
③エアポレーター(水循環式の間接冷却装置)

概要
エアポレーターは室外機の吸気口に浸透性のある紙フィルターを設置し、フィルターに含ませた水の蒸発冷却で吸気温度を下げる冷却装置です。
散水装置のように直接水が室外機にかかることはなく、機器への悪影響を防ぎながら安定した冷却が可能です。
本体は主にクラフト紙製のフィルターと金属フレームで構成され、小型の給水タンクとポンプにより水を循環させるシンプルな吸気冷却システムです。

メリット
・散水装置と同様に気化熱を利用し、日除けの効果もあるため、冷却効果は非常に高い・水が直接室外機にかからないため設備が傷みにくいため、設備寿命の延命につながる
・フィルターにより、埃やチリの侵入を防ぐことができる
デメリット
・散水ほどではないが水道代が継続して発生・室外機吸気面の前に設置スペースが必要
評価
短期的な対症療法ではなく、根本的に「高圧カットが発生しにくい環境」を作る対策です。
3つの対策を比較した結論
従来、室外機の冷却システムとしては日除けや散水装置が一般的でした。
しかし、日除けは冷却効果が弱く、散水装置は冷却効果は高いものの、散水する水に含まれる塩素等の影響で室外機のフィンが腐食してしまうなど、室外機自体への悪影響のリスクがありました。
一方、エアポレーターは日除け効果と散水効果という二重の冷却効果を持つだけでなく、室外機に直接水がかからないため、フィンを傷める心配もありません。
日除けと散水装置の利点を兼ね備えた画期的なシステムと言えるのではないでしょうか。
加えて、エアポレーターは高圧カットの防止に加えて、機器の効率が向上するため、電力消費が抑制され、省エネにも寄与します。特にエアポレーターは気温が高くなるほど、電気使用量の削減はもちろん、夏のデマンド対策としても効果が期待できます。
これまで比較した対策を整理すると、下記の位置付けになります。
・日除け → 水を使用しないため室外機に悪影響を与えないが、効果小・散水 → 効果はあるが、フィンが劣化・損傷する可能性有
・エアポレーター → フィンを傷めず、日除け効果と散水効果の2重冷却効果
つまり日除けと散水の良いとこ取り

特に、
・夏場の高圧カットが毎年発生している・食品ロスや営業停止のリスクを減らしたい
・設備を長く使いたい
・省エネの推進や夏のデマンドを抑制したい
こうした現場ではエアポレーターの導入を検討してはいかがでしょうか。
4. まとめ
日本の夏は今後もさらに厳しくなると予想されます。
高圧カットは「避けられないトラブル」ではなく、適切な対策で防げる問題です。
高圧カット対策としては、短期的な対策から一歩進み、
根本的な環境改善として、エアポレーターの導入をおすすめします。
※本記事は作成者個人の意見や感想に基づき記載しています。
※この記事は2026年3月時点の情報に基づき作成しております。



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