1.「ゼロカーボン板」開設のきっかけ
きっかけは、2021年に遡ります。
2015年のパリ協定採択以降、気温上昇を産業革命以前に比べ2℃より十分低く保持し、1.5℃に抑える努力を追求すべく、今世紀後半のカーボンニュートラル達成を目指し、世界各国で取り組みが活発化しました。
国内では、2020年10月に菅首相の「カーボンニュートラル」宣言をきっかけに、国内の様々な企業が脱炭素に向けた目標を立て、目標達成に向けた取り組みが活発化していきました。
また、関西電力グループは、2021年2月に「ゼロカーボンビジョン2050」で、持続的可能な社会の実現に向け「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、エネルギーの自給率向上に努めるとともに、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとする目標を立てました。
さらに、取り組みを進める上では、お客さまや、ビジネスパートナー、国や自治体、研究機関等と積極的な連携を掲げています。
「ゼロカーボンビジョン2050」を策定して間もない頃、お客さまから「ゼロカーボンって言われても、何をすればいいのか分からない」という何気ない一言をいただきました。
その一言をきっかけに、社内で話し合うと、「私たちも色々やってはいるけど、具体的に何をしていくべきなのか、実は良く分からないよね(笑)」こんな状況でした。
2. 2050年ゼロカーボンに向けて何ができるのか?
一方で、関西電力はこれまでお客さまへの省エネ提案活動を長年実施しており、「省エネ」対策に関しては自信を持っています。
それでは、なぜ「何をしたらいいかよくわからない」となったのか?
それは、これまでの省エネ提案活動は、あくまで「省エネ」が目的で、結果CO2の排出量を「へらす」結果に繋がっているに過ぎず、ゼロカーボンの実現という究極の脱炭素対策とは「やるべきこと」のレベルが段違いに上がったからです。つまり、「今までやってきたこと」と「これからやっていかないといけないこと」のギャップがあまりにも大きかったのです。
ゼロカーボンの実現は「へらす」だけでなく、太陽光発電等再生可能エネルギーを「つくる」ことで実現するという選択肢もあります。さらに、電化や水素化、または再生可能エネルギー由来の証書で「置き換える」という選択肢もあります。
3. お客さまの「ゼロカーボンを実現したい!」にお答えできない挫折
ゼロカーボンの実現には、先に述べた3つの選択肢を、お客さまの削減目標に則りカスタマイズして対策しなければなりませんが、実際のご提案シーンでは上手くいかないことも多々あります。
私が担当するお客さまから「証書は購入したくない(へらす・つくるで何とか目標達成したい)」という要望を受け検討に検討を重ねましたが、結局、目標達成を実現できない回答を返さざるを得ない結果となりました。
お客さまのお悩みを解決し、お客さまの喜んだ顔を見ることをやりがいとしてきた私にとっては、非常に悔しい経験でした。そして何よりも、自分達のリソースやアイデアだけでは限界があることを知り、お客さまのお知恵やアイデア、外部の知見・お力も必要であると思い知らされた経験となりました。
4.ゼロカーボンをもっと身近に
これからはお客さまからもアイデアを出してもらえる、挫折を経験したからこそお客さまとそんな関係を築いていけたら素晴らしいと考えるようになりました。
しかし、何もせずにお客さまに「アイデアを出して」なんて無茶ブリはできません(笑)
それであれば、まずは私たちが持っている知見やノウハウ、更には本音の悩みを世の中に発信してみよう!全力で発信してみよう!
それをお客さまにも見てもらって、「こうすれば良いんじゃないか」と気付きをもらえたら素敵だと。
そう決めたら、いても立ってもいられません。どんなテーマで発信するべきか。
そこで、「ゼロカーボンって言われても、何をすればいいのか分からない」皆、遠大な目標に立ち尽くしていたことを思い出しました。
それなら、私たちにできることは「ゼロカーボンは身近なもの」って感じてもらうこと。
そうすれば、明日から何かが変わるかも。「どうすれば良いか分からない」と頭を抱えていた人の表情が明るくなるかも。こんな思いを馳せながら「ゼロカーボン板」Web製作プロジェクトを立ち上げました。
「ゼロカーボン板」では、ゼロカーボンをもっと身近に感じていただけるように私たち社員の、ゼロカーボンに関する試行錯誤や悩みを草の根レベルで発信していきたいと思っています。
「ゼロカーボン板」は、生まれたてゆえ、運営や記事の内容・表現などまだまだ未熟なところが多いですが、温かい目で見ていただけると幸いです。
最後になりますが、これから真面目に、面白く、みなさまと一緒に育てていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします!
※本記事は作成者個人の意見や感想に基づき記載しています。
※感染症対策を十分考慮した上、撮影時のみマスクを外して撮影しています。
※この記事は2022年6月時点の情報に基づき作成しております。