皆さんこんにちは!
ゼロカーボン板編集メンバーの荒木です。
私事ですが、実は関西電力のグループ会社である関電エネルギーソリューション(Kenes:ケネス)に今年の7月から出向しており、ゼロカーボンを含む法人向けの新規事業開発などに日々奮闘しています。
今回は、電力、温湿度、CO2などのエネルギーデータをWeb画面にて見える化できるサービス「みえる化+」を開発したKenes社員の梅津さんに、開発の経緯や苦労した点、ゼロカーボンへの想いを語ってもらいました。
写真:にっこり笑顔の梅津さん
荒木:最初に自己紹介をお願いします。
梅津:こんにちは、(株)関電エネルギーソリューション ユーティリティ本部 事業企画部 イノベーショングループの梅津です。イノベーショングループはKenesの中でも既存サービスとは別領域の新サービスを立ち上げる部署であり、情報収集から開発、プロモーションなど様々な業務に携わっています。現在入社7年目ですが、新事業開発に携わったのは3年前からで、それ以前は設備の保守を行う全く異なる業務に携わっておりました。
荒木:設備保守から新事業開発と幅広い業務を経験されてるんですね!
梅津:業務内容が大きく変わって、最初は戸惑いましたが、周囲のメンバーと協力しながら様々な事業にチャレンジできることにやりがいを感じています。また、設備保守で学んだ実際にサービスや製品を運用いただく方の視点は、新事業の検討においても非常に重要だと感じています。
荒木:プライベートの話も聞いてもいいですか?
梅津:私も妻もスイーツが好きで、先日はカフェをはしごして密芋パフェと紫芋のシロノワールを食べに行きました。スーパーでもお気に入りのシュークリームを買い込んでいます。あとは旅行とゲームも好きです。
荒木:私もスイーツ好きですが、はしごしたことはないですね。笑
旅行もいいですね!最近どこか行かれましたか?
梅津:最近では北海道と宮島に行きました。北海道ではシャトレーゼの系列のホテルに宿泊してスイーツの食べ放題を堪能しました!
荒木:旅先でもやはりスイーツなんですね。笑
梅津:はい!ゲームするときもコーヒー牛乳は必需品です。笑
写真:スイーツの話を満面の笑みで語る梅津さん
荒木:スイーツの話でお腹いっぱいになったところで、早速ですが「みえる化+」を開発するきっかけを教えてください!
梅津:きっかけは脱炭素関係のイベントに参加した際に、エネルギーの見える化サービスを出展しているブースに人だかりができていたことです。そこで話を聞くと、脱炭素や省エネニーズが高まっていることに加え、見える化システムに関連する無線や電池の技術が向上していることを知りました。
ただ、実際に社内の営業担当に確認すると、エネルギーを見える化をしたいお客さまは多いが、システム導入コストが高く、導入に至らないケースが多いと聞きました。
荒木:なるほど。脱炭素経営に向けて見える化はしたいが、コストがかけられないということですね。
梅津:そうなんです。私も見える化システムを開発している企業に何社か話を聞いたところ、年々価格は低下しているものの、まだお客さまが求める価格帯とのギャップはあるとのことでした。
荒木:ん~。ニーズがあっても、やはりサービス開発って難しいんですね。
梅津:サービス開発を断念しようかと思っていた際に運命的な出会いをしました。
荒木:運命的な出会い??プライベートな話じゃないですよね?笑
梅津:見える化の話です。笑
偶然にも、ある会社さんの見える化システムは、AIを駆使して空調を自動制御する「おまかSave-Air 🄬(おまかセーブエアー)」※というKenesの既存サービスで使用している機器(ゲートウェイ)と同じ機器を使用していました。それにより、圧倒的なコスト削減を図ることができ、また比較的短い期間で「みえる化+」の開発を実現できました!
荒木:既存サービスの機器をそのまま使えるというのは、すごい偶然ですね!
梅津:Kenesはセンサーの開発企業ではないため、自社のみで開発するのは難しく開発パートナーを必死に探していたので、この会社さんと出会ったときは、妻に出会ったときくらい嬉しかったです!
荒木:それはさすがに言いすぎでしょ。笑
※「おまかSave-Air 🄬」は制御用コンピューターで空調室外機を自動制御し、快適性を維持しながら空調エネルギーの省エネ・省CO2を実現するサービスです。
http://www.kenes.jp/kenestation/service/saveair/
荒木:少し気になったのですが、見える化だけでは脱炭素にはならないですよね?
梅津:突然厳しい質問しますね。でもその通りです。
見える化はあくまで脱炭素経営に向けた「現状把握」もしくは脱炭素対策の「効果測定」の役割です。ただ、多くの企業から、「脱炭素と言っても何から取り組んだらよいか分からない」、「対策をしてみたが、実際に効果があるのか分からない」というお声をいただいております。
見える化をすることで、設備や機器ごとにCO2の排出量を把握し、どこにリソースを投入すべきかが明確になります。また、対策をやって終わりではなく、その効果をきちんと把握して、社内への報告や社外PRも必要となります。見える化は脱炭素対策に直接貢献できるわけではありませんが、最初の方針検討から途中の効果分析、仕上げのPRまで、脱炭素対策の推進のためのツールとして常に必要とされる存在だと思っています。
荒木:見える化と脱炭素の関係性が非常によくわかりました。梅津さんの熱意も伝わりました。ありがとうございます!ちなみにサービスのリリース後、お客さまからの反響はどうですか?
梅津:2023年6月にリリースしたばかりですが、すでに関東の大手スーパーの複数店舗でご採用いただいており、今夏の電気料金高騰の影響もあり、続々と提案のご要望をいただいています。お客さまからは価格面や見える化画面の使いやすさやデザインに関して高く評価をいただいております。
販売活動を始めてすぐに何件も提案の要望をいただいているのはありがたい限りですし、着目したサービスが走り出すのを見るのはとても達成感があります!ですが、開発期間と費用を抑えるために機能はシンプルに作ったので、まだまだこれからもお客さまなどからいただいたニーズを基によりよいものへとブラッシュアップしていきたいと思います!
左からクランプ、電流計、温湿度計、CO2計、iPhoneXS Max
※iPhoneXS Maxは計測センサーの大きさをイメージできるように置いています。みえる化+のサービスとは関係ありません。
荒木:自分でサービスを作り上げるってかっこいいですね!
もう次のサービスを考えたりしてるんですか。
梅津:まだまだ調査段階ですが、廃棄物処理に着目してます。
近年、企業の事業活動により発生する廃棄物の処理は、SDGsの観点からも大きな課題となっています。廃棄物をただ焼却するのではなく、廃棄物を有効活用することで企業の脱炭素経営やSDGsに貢献できるサービスを検討しています。
荒木:廃棄物処理!?見える化とは全然違う分野ですね。
また開発できたら話聞かせてください!
荒木:最後に梅津さんにとってゼロカーボンとは何ですか?
梅津:ゼロカーボンは重大な社会課題であり、ゼロカーボンに資する様々な製品・サービスが開発されていますが、お客さまに導入されて初めてゼロカーボンに貢献できるものです。導入コストや運用の手間を考慮して、社会に広く普及できるものであることが大前提だと意識しております。なので、本当にお客さま視点で必要とされるようなサービスであるか?を今後も強く意識しながらサービス開発に取り組みたいと思います!
※本記事は作成者個人の意見や感想に基づき記載しています。
※この記事は2023年11月時点の情報に基づき作成しております。